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【〈今月のワセメシ2月編〉西早稲田のお菓子屋さん デュマン】

更新日:3月6日

皆さんこんにちは!


早稲田の入試も終わり、いよいよ春がやってきますね。

振り返ってみれば、本当にこの一年あっという間だったなと、感じます。



さて、皆さんは「デュマン」というお店をご存じでしょうか。大隈通りの入口、東門近くにある、数か月前にオープンしたばかりのお菓子屋です。

目立つ場所にありますから、一度は見たことはあるという方や、行ったことがあるという方もいらっしゃると思います。


今回は、そんな「デュマン」さんをご紹介します。





デュマンさんは、社会福祉法人新宿あした会が管轄している「新宿第二あした作業所」で作られた、クッキー等のお菓子を販売しているお店です。

ここでは、主に知的障がい者の方々が働いていらっしゃいます。


新宿第二あした作業所は約60年もの歴史を誇る「新宿区手をつなぐ親の会」を母体とし、社会福祉法人となる前からお菓子作りを行われてきました。



そもそもこの「デュマン」とは、どういう意味なのでしょうか。

これはフランス語で「あした」という意味です。「新宿第二あした作業所」に繋がっているわけです。


また、他の事業所でも言語は変わるものの全て「あした」という意味の名前がつけられています。

他の事業所の名前に「マニアーニ」というものがありますが、スペイン語で「あした」という意味だそうです。



お菓子販売を行っているものの、あくまでも知的障がい者の方々への支援がメインです。

このお菓子作りを通じて、利用者(この作業所で働いていらっしゃる方)への支援を行っていらっしゃいます。


数か月前に東門近くに店舗を構えられたそうですが、その理由を伺いました。


事務所長の平内崇さんによると、それは偶然だったそう。


「たまたま空きになっていたところを見つけました。入ってみると、地域の方とのつながりが生まれ、交流が続いています。こんなに忙しくなるとは思っていませんでした。」


「早稲田の学生がよく来ますが、学生だけでなく職員の方も来る。地域の恩恵を受けることができているし、これからも地域に関わっていきたいと思っています。」





デュマンさんでは、主にクッキーとパウンドケーキの2種類のお菓子が販売されています。


クッキーには、バニラ、ココア、紅茶、アーモンド、チーズ、おから、ごま、コーヒー、そしてミックスの9種類があります。


ご年配の方でも簡単に食べられるほど柔らかいのが特徴です。


今回はバニラ味とココア味をいただきました。


バニラ味は、口に入れるとほろほろと崩れ、バニラ味の香りがふんわりと広がる優しい味わい。

またココア味は、ガツンとココアという感じではなく、優しい味わい。バニラ味のクッキー同様、口当たりのやわらかく、とても食べやすい美味しいクッキーに仕上がっています。





続いては、パウンドケーキです。


パウンドケーキは、プレーン、レーズン、オレンジ味、チョコ、紅茶、そしてブルーベリーの7種類があります。


今回はオレンジ味とレーズン味をいただきました。


オレンジ味は、パウンドケーキのしっとりとした舌ざわり。そして、口の中全体に伊予柑などの柑橘系の香りが口全体に広がります。柑橘系の香りが誇張されすぎず、バランスの取れた味わいとなっています。

レーズン味は、ラム酒の効いた、少し大人の味わい。パウンドケーキはサイズ感もちょうどよく、小腹が空いたときのおやつにピッタリです。


これらのほかにも、限定のマロン味や抹茶味など、季節ごとに様々な種類のものが販売されるそうです。


レギュラーメニューの味の種類は、利用者の負担にならなければ増やしていきたいとお話しされていました。


その他、贈答用セットの取り扱いもあるとのこと。贈呈用セットと聞くと、既に入っているお菓子の種類が決められているイメージがありますよね。


しかし、デュマンさんでは中身を自由にカスタマイズすることができるそうです。






また、デュマンさんでは、刃物等の危険物を取り扱う場合を除き、ほぼ全工程が利用者の方々の手で行われています。


お菓子作りはもちろん、箱の組み立てに至るまで、利用者のみなさんがされているそうです。



今回は、そのようなデュマンさんの利用者の1人、神田さんにお話を伺いました。


神田さんはこの新宿第二あした作業所にお勤めになられてもう何十年というベテランでいらっしゃいます。

「大好きなクッキーづくりの作業ができて嬉しい」と嬉しそうにお話しされていました。


今後の目標を伺うと、

「クリームを早く絞れるようになって、一人前になりたい」と話してくださりました。


高い志を持って働いていらっしゃる姿が、とても印象的です。





また、平内さんが「利用者さんが中心」とお話しされている姿も印象的でした。


「利用者さんが一生懸命作ったものを販売していますが、あくまでも主体は利用者さん。」


そして、「ここになぜこの施設がと思う人もいるかもしれませんが、まだ知名度が低いと思うので、これからもっと認知してもらえるように頑張りたいと思っています。」


「そして、もっとデュマンのお菓子を皆さんに食べていただきたい。地域の方々とより親密な関係を築いていきたいし、地域の活動にも積極的に関わっていきたいです。」

と、地域の活動等への思いもお聞きすることができました。



余計なものは入れないシンプルな味ながら、その素朴さがやみつきになるクッキー。

そして、味といいサイズといいバランスが取れていながら、口当たりの柔らかさがたまらないパウンドケーキ。


ぜひ一度、店頭に足を運んでみてはいかがでしょうか。


そして、社会福祉法人新宿あした会の活動の応援、どうぞよろしくお願いいたします。



※写真の撮影および掲載許可をいただいております。


〈店舗情報〉

・店名:社会福祉法人 新宿あした会 新宿第二あした作業所 デュマン

・住所:〒169-0051 東京都新宿区西早稲田1-9-3 KY第一ビル1階

・電話番号:03-5285-4837

・FAX :03-6380-3839


改めまして、取材へのご協力に深く御礼申し上げます。



筆者 柑橘系勘吉

早稲田大学社会科学部1年

早稲田大学公認サークル

まっちワークグループ早稲田


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