例年であれば心躍るゴールデンウィークですが、今年は“ステイホーム週間”となってしま いましたね。外出自粛が続く中、自宅で映画を楽しんでいる方も多いのでは? そこで今回のコラムでは、早稲田大学出身の映画監督・是枝裕和さんの作品を2つご紹介 します! カンヌ国際映画祭で最高賞を受賞した『万引き家族』と、審査員賞を受賞した『そして父 になる』です。 それでは、あらすじと感想を交えながらご紹介していきます! (あくまでも筆者一個人の感想ですのでご容赦ください。) ①『万引き家族』
<写真は https://eiga.com/movie/88449/photo/ より引用> 東京の片隅で暮らす5人は、一見家族のように見えます。しかし実は、彼らの間に血の繋 がりはありません。物語は、両親から虐待されている少女・ゆりを新たな家族の一員とし て迎えるところから動き始めます。 印象的だったのは、6人が海へ遊びに行くシーンです。それぞれが本当の家族との間に複 雑な事情を抱え、深い心の傷を負っています。そして万引きなどの罪を犯しながら、なん とか日々の暮らしを生き抜いています。ですがこのシーンは、心の底から楽しそうに笑い 合い、画面全体が穏やかな空気に包まれるのです。 ”本当の家族”とは?といった家族の問題に加え、現代社会に蔓延る様々な問題についても 考えさせられるような映画です。 社会問題に関心がある、観終わった後のじっとりとした余韻を味わいたい、という方にお すすめです。 ②『そして父になる』
<写真は https://eiga.com/movie/58060/photo/ より引用> 一流企業に勤める野々宮良多と妻・みどり、一人息子の慶多は幸せに暮らしていました。 しかし、出生時に子どもの取り違えがあり、慶多が実の息子ではないことが判明します。 良多とみどりの本当の息子は、電器店を細々と営む斎木雄大&ゆかり夫妻のもとで、3人 兄妹の長男・琉晴として育てられていました。 いわゆるエリートで教育熱心な良多と、しつけには無頓着ですが子煩悩な雄大の、対照的 な姿が印象的でした。両者とも完璧な父親とは言えませんが、理想の父親像を目指して奮 闘しています。そして、どちらの家族にもこれまで息子と積み重ねてきた幸せな年月があ り、それ故に葛藤します。 ”家族”にとって大切なのは、血の繋がりか、それとも……?自分が親の立場で同じような 状況に置かれたとしたら、どんな決断をするか考えながら観てみるのも興味深いかもしれ ません。 どちらの映画も”家族”が重要なテーマとなっている作品です。台詞や演出のひとつひとつ が意味深長で、是枝監督は何を伝えようとしているのだろう?と考えながら鑑賞しました 。 観終わった後、筆者は誰かと感想を話し合いたくなりました!ご家族と暮らしている方は 、一緒に観てみることをおすすめします。 外出自粛の続く今、家族と過ごす時間が増えている方も多いかと思います。 是枝裕和監督の作品を観て、この機会に改めて”家族”について考えてみてはいかがでしょ うか。
筆者 ちゃちゃ 早稲田大学政治経済学部2年 早稲田大学公認サークル まっちワークグループ早稲田
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